ChatGPT・Copilot・Geminiに個人情報を入れてしまったら|最初の10分でやること
「お客様のメールを、名前も電話番号もそのまま貼ってしまった」。
気づいた時点でできることは、思っているより多くあります。慌てて全部消す前に、次の順番で進めてください。
※ 設定の名前や場所は、各サービスの更新で変わることがあります。最後は各サービスの公式ヘルプで確かめてください。
1. まず「学習に使う」設定を確かめる
個人向けのプランでは、入力した内容がサービスの改善(AIの学習)に使われる設定が、最初から有効になっていることがあります。チャットを消すより先に、ここを確かめます。
- ChatGPT:設定 →「データコントロール」→「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ
- Gemini(個人のGoogleアカウント):「アクティビティ」の保存の設定を確かめる(オフでも72時間は残る。場所と履歴の消し方は Geminiの記事)
- Copilot(個人のMicrosoftアカウント):設定 →「プライバシー」の、モデルのトレーニングに関する項目を確かめる(場所と履歴の消し方は Copilotの記事)
会社が契約した法人向けのプラン(職場のアカウントでログインするもの)は、入力を学習に使わない扱いになっていることが多いです。どちらのアカウントで使ったかを、まず確かめてください。
2. そのチャットを「削除」する
- 「アーカイブ」は削除ではありません。一覧から見えなくなるだけなので、「削除」を選びます
- 削除しても、サービス側ではすぐに消えず、一定期間(安全のための確認など)保たれることがあります(ChatGPT の場合の日数・学習への影響・一括削除・復元は ChatGPTの履歴を削除すると学習はどうなる?)
3. 共有リンク・アップロードしたファイル・メモリを確かめる
チャットを消しても、ほかの場所に残ることがあります。
- そのチャットの 共有リンク を作っていないか
- 一緒に ファイル(顧客名簿や見積書など)を上げていないか
- AIの メモリ(会話の内容を覚えておく機能)に、名前や連絡先が覚えられていないか
4. 仕事の情報なら、上司か担当者に伝える
お客様の情報を入れてしまったなら、自分だけで終わらせず、上司や情報管理の担当者に伝えます。法律上の「漏えい」に当たるかどうかは、事案ごとに判断されるとされています。何を・いつ・どのサービスの・どのアカウントに入れたかを、メモしておくと話が早いです。
会社にまだルールがない場合は、この機会に決めておくと次に迷いません。
- ChatGPTに個人情報を入れないための社内ルール例:ai-shanai-rule.html
- ChatGPTに顧客情報を入れていい? 3つの線引き:customer-info-chatgpt.html
個人情報保護委員会への報告は要る?
個人データの漏えい(またはそのおそれ)のうち、報告と本人への通知が義務になるのは、次の4つのどれかに当たるときです(個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」)。
- 病歴・障害・犯罪歴など要配慮個人情報が含まれる
- クレジットカード番号・口座のログイン情報など、悪用されるとお金の被害が出るおそれがある
- 不正アクセスなど、不正の目的で行われたおそれがある
- 本人の数が1,000人を超える
当たるときの期限は、気づいてから3〜5日以内に速報、30日以内に確報(3の場合は60日以内)です。
AIに入れたこと自体が「漏えい」になるかは、入れた内容と、そのサービスが入力をどう扱うか(学習に使うか、など)で変わります。個人情報保護委員会は、会社が本人の同意なしに個人データを入れ、それが答えを返す以外の目的(学習など)に使われると、法律に違反するおそれがあるとしています(「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」2023年6月)。
迷うときは、1の設定とアカウントの種類、入れた件数・種類のメモを持って、早めに担当者や顧問の専門家に相談してください。判断は会社として行うもので、この記事は法律上の助言ではありません。
5.パスワード・APIキー・社外秘(機密情報)を入れてしまったら
個人情報ではなく、パスワードやAPIキー(サービスの合い鍵)、社外秘の資料を貼ってしまった場合は、チャットを消すだけでは足りません。「見られたかもしれない鍵」は、鍵そのものを替えるのがいちばん確実です。
- パスワード:そのサービスのパスワードをすぐ変える。同じパスワードをほかでも使っていれば、そちらも変える
- APIキー・トークン:発行元の管理画面で、そのキーを無効にして作り直す(削除=無効化。チャットの削除では止まりません)
- 社外秘・取扱注意の資料:何の資料の、どの部分を貼ったかをメモして、4. と同じように担当者へ伝える。取引先から預かった資料なら、契約の秘密保持の決まりも確かめる
なお、体験ページの「AI伏せ字」は「パスワード:〜」「APIキー:〜」のような書き方も見つけて [パスワード1] に置き換えます(見落としもありうるので、最後は目で確かめてください)。
次から防ぐ:貼る前に伏せ字にする
いちばん確実なのは、そもそも本物の名前や番号をAIに渡さないことです。
「山田太郎様」を [氏名1]様、「090-1234-5678」を [電話1] にしてから貼れば、返信の下書きも要約も、ほとんど同じように頼めます。答えが返ってきたら、伏せ字を元に戻せば完成です。
私たち(合同会社mico)は、この置き換えと戻す作業をブラウザの中だけで行う無料の道具「AI伏せ字」を作りました。文章は外部に送信しません。ChatGPT・Copilot・Gemini・Claude のどれに貼る前でも使えます。
この場で試す(送信しません)
下の例文を書き換えるか、自分の文章を貼って「伏せ字にする」を押してください。処理はこのページの中だけで行います。
毎回この作業をするなら、ブラウザに入れておくと右クリックで伏せられます(無料)→ Chrome拡張 / Edgeアドオン。元に戻す機能つきの全部入りは体験ページで。
※ 判定は機械的なルールなので、見落としがありえます。AIに送る前に、伏せ字の文章を目で確かめてください。