年末調整のPDFに入力できない・文字が消えるときの直し方(令和8年分)
11月は年末調整の書類が集まる時期です。
国税庁の「入力用」PDFで扶養控除等申告書を作ろうとして、文字が打てない、保存して開き直したら消えていた、印刷したら端が切れた。こうした相談は毎年のように出ます。
この記事では、国税庁の案内に書かれている直し方を先にまとめ、そのあとで、総務・事務の人が集めた申告書や控除証明書を、外部のサイトにアップロードせずに整理する方法を紹介します。
入力できない・文字が消える:まず「ブラウザで開いていないか」
国税庁の各種申告書のページには、入力用PDFについて次のように書かれています(2026年11月1日に確認)。
- 入力フォームのあるPDF(入力用PDF)は、ブラウザでの閲覧・利用に対応していない
- 入力用PDFは、デスクトップなどの作業場所にダウンロードして保存する
- Adobe Reader を起動し、「ファイルを開く」から保存したPDFを開いて入力する
- Adobe Reader 以外のPDF閲覧ソフトでは、文字入力ができない・一部の文字が印刷されないことがある
- Adobe Reader は最新版に更新する
- セキュリティ設定や、スマートフォン・タブレットでの利用など、環境によっては使えない場合がある
会社のWindowsパソコンでは、PDFをダブルクリックすると Microsoft Edge や Chrome で開くことが多く、この状態で入力すると上のような不具合が起きやすくなります。Adobe Reader を先に起動して、そこから開くのがいちばん確実です。
出典:国税庁「各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/shinkokusyo/index.htm
令和8年分と令和9年分を取り違えていないか
同じページには、今年の年末調整で使う令和8年分の申告書と、来年の給与のために出す令和9年分の扶養控除等申告書が並んでいます。入力したのに会社から「様式が違う」と言われたときは、ファイル名と書類の上の年分を見比べてください。
印刷すると端が見切れる:縮小して印刷する
国税庁のページには、プリンターによっては様式の一部が見切れることがあり、その場合は縮小して印刷するように書かれています。印刷の画面で「ページに合わせる」や倍率(95%など)を選んでください。
控除証明書がPDF(電子データ)しかないとき
生命保険料や地震保険料の控除証明書を、紙ではなく電子データ(XML)で受け取る人が増えています。勤務先がその電子データを受け付けていない場合は、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で、QRコード付きの控除証明書を作って印刷し、書面として出す方法が案内されています。
電子データで出せるか、紙で出すかは勤務先の受付方法しだいです。総務の人に先に聞いておくと二度手間になりません。
案内:国税庁 e-Tax「QRコード付証明書等作成システムについて」 https://www.e-tax.nta.go.jp/cps/cps.htm
総務の人へ:集めた書類は「外に出さずに」まとめる
社員から集める扶養控除等申告書や保険料控除申告書、控除証明書には、本人と家族の氏名・生年月日・住所、マイナンバー、保険の契約内容が並びます。社内でいちばん漏らしてはいけない書類の一つです。
PDFで集めると、次のような作業が出てきます。
- 1人分の申告書と控除証明書を、1つのPDFにまとめて保存したい
- スキャンしたら横向き・逆さまになったページを直したい
- スキャンしたPDFが重く、容量を減らして保管・送付したい
「PDF 結合」などで検索して出てくる無料サイトの多くは、ファイルをいったん相手のサーバーにアップロードして処理します。マイナンバーの入った書類をそこに上げてよいかは、会社の取扱いのルールで確かめる必要があります。確かめる手間をかけたくないなら、PCの中だけで処理する道具を使うのが確実です。
私たちが作った次のページは、どれもブラウザの中だけで動き、ファイルを送信しません(ページを開いた後にネットを切っても動きます)。
- まとめる:PDF結合(アップロードなし) 大きさの違うページはA4にそろえることもできます
- 向きを直す:PDFの回転を保存する
- 見せない所を消す:PDF墨消し(塗ったページは下の文字ごと消える)
- 軽くする:PDF圧縮(アップロードなし)
- 1人分ずつ分ける:PDFの分割・ページの抜き出し
結合と分割は、パスワードの付いたPDFには使えないことがあります。その場合は、先にパスワードを外してよいかを社内で確かめてください。外し方は PDFのパスワードを解除して保存する方法(Chrome・Edge) にまとめています。
年末調整の書類を、AIに読ませる前に
「扶養の条件が合っているか、ChatGPTに確かめてもらおう」と、申告書の中身をそのまま貼るのはやめておきましょう。マイナンバーや家族の名前は、聞きたいことの答えには要りません。名前や番号を [氏名1] [番号1] のように伏せてから聞けば、答えの質は変わらず、外に出る情報だけが減ります。
何を伏せればよいかは 個人情報のマスキング箇所一覧 に、入れてしまったときの対処は AIに個人情報を入力してしまったら にまとめています。
まとめ
- 入力用PDFはブラウザ非対応。ダウンロードして、Adobe Reader(最新版)から開く
- 令和8年分(今年の年末調整)と令和9年分(来年の扶養控除等申告書)を取り違えない
- 印刷で見切れたら縮小して印刷
- 控除証明書が電子データしかないときは、勤務先の受付方法を聞き、必要ならQRコード付きで印刷
- 集めた書類は、アップロードしない道具でまとめる・直す・軽くする
年末調整の書類を、PCの外に出さずに1つに。
申告書と控除証明書のPDFを、ブラウザの中だけで結合します。ファイルはどこにも送りません。
毎回使うなら、ブラウザに入れておけます(無料)→ Chrome拡張「PDF結合」 / Edgeアドオン「PDF結合」