個人情報のマスキング箇所一覧:AIに貼る前に隠す12か所と、隠さなくていいもの
「マスキングしてからAIに貼って」と言われても、どこを隠せばいいのか が決まっていないと、人によって隠し方がばらばらになります。
この記事では、ChatGPTなどの生成AIに文章を貼る前に隠す箇所を、一覧と書類別の見落としポイントにまとめました。社内ルールの別表として、そのまま使えます。
まず結論:隠す12か所
A. 誰のことか分かる情報(伏せ字に置き換える)
- 氏名(フルネーム、名字だけ、下の名前だけ、カタカナ・ローマ字表記も)
- 会社名・店名・団体名(取引先、顧客の勤務先)
- 住所(番地まで。都道府県・市区町村だけなら残してよいことが多い)
- 電話番号(固定・携帯・FAX)
- メールアドレス
- 社員番号・顧客番号・会員番号・受付番号
- 生年月日(年齢だけで足りるなら「40代」に)
- 顔写真・署名の画像(文章ではなく画像を貼るときに注意)
B. 伏せ字にしても貼らない情報(AIに渡さない)
- マイナンバー(紙・PDFで隠す箇所は マイナンバーの黒塗り箇所)
- 銀行口座(支店・口座番号・名義)、クレジットカード番号
- 病名・通院歴・障害など健康の情報
- パスワード、ログインID、社内システムのURL
Aは [氏名1]、[会社1]、[電話1] のように 種類と番号で置き換える と、AIの答えを元に戻せます。
Bは置き換えても「何の情報か」が残ります。その部分を文章ごと削ってから 貼るのが安全です。
隠さなくていいもの(隠しすぎると答えがずれる)
- 「お客様」「ご担当者様」「先方」などの呼び方
- 日付、金額、数量(個人と結びつかない限り)
- 商品名・サービス名・自社の部署名
- 「様」「さん」「御中」などの敬称([氏名1]様 のように伏せ字の外に残す)
なんでも ■■■ にすると、AIは誰が誰に何をしたのか分からなくなります。隠すのは「誰か分かる部分」だけ にするのがコツです。
書類別:見落としやすい箇所
メール
- 最後の 署名(名前・携帯番号・メール・会社の住所がまとめて入っている)
- 返信の下にぶら下がっている 前のメールの引用
- 宛先欄からコピーされた「山田 太郎 <yamada@…>」のような行
議事録・会議メモ
- 「担当:佐藤」「→鈴木さん確認」のような 短い書き方
- 出席者の一覧
- 発言者の名前(「田中:」で始まる行)
請求書・見積書・注文書
- 宛名と 振込先の口座(口座はBなので削る)
- 取引先の担当者名・電話番号
- 請求書番号・注文番号(社外の人には意味がなくても、社内の台帳と照らせば誰か分かる)
履歴書・応募書類
- 氏名・住所・生年月日・顔写真のほか、学校名と卒業年、前の勤め先の組み合わせ
- 組み合わせると一人に絞れる情報は、一つずつは無害でもまとめて隠す
医療・介護・士業の書類
- 患者名・利用者名・依頼者名に加えて、病名や相談内容そのもの(Bに当たる)
- 「〇〇病院の△△先生」のような、施設名と人名の組み合わせ
- こうした書類は、伏せ字にしても外部のAIに貼らない、と決めておく方が安全です
社内ルールに書くときの書き方(例)
例: 生成AIに文章を入力するときは、別表の1〜8を伏せ字に置き換え、9〜12を含む部分は削除してから入力する。入力の前に、伏せ字にした文章を一度読み、見落としがないか確かめる。
ルール全体のひな形は、こちらにまとめています:https://micoficial.github.io/ai-fuseji/articles/ai-shanai-rule.html
毎回手で探すのが大変なら
1〜7は、ほとんどが「形が決まっている情報」です。電話番号やメールアドレスは形で見つけられ、名前もよくある名字や「様」「さん」の前を手がかりに見つけられます。
私たち(合同会社mico)の無料の道具「AI伏せ字」は、名前・会社名・住所・電話番号・メールなどを [氏名1] のような伏せ字に自動で置き換え、AIの答えを元に戻せます。処理はすべてブラウザの中で行い、文章は外部に送信しません。
ただし機械の判定なので、最後に目で確かめる のはどの方法でも同じです。
インストール不要の体験ページ:https://micoficial.github.io/ai-fuseji/?utm_source=micoficial_site&utm_medium=article08
手でやる方法(メモ帳・Wordの置換)は、こちら:https://micoficial.github.io/ai-fuseji/articles/masking-howto.html
まとめ
- 隠すのは「誰か分かる部分」。12か所の一覧を社内で共有する
- マイナンバー・口座・健康の情報・パスワードは、伏せ字にしても貼らない
- 署名、引用、「担当:佐藤」のような短い書き方が、いちばん見落とされる